私の大失敗
私はNISA口座だけではなく、特定口座でも株や投資信託を運用していますが、過去に「少しでも節税できるのでは」と思い、特定口座を「源泉徴収なし」に変更したことがあります。年間の利益が20万円以下であれば確定申告が不要で、税金もかからないと知っていたからです。仮に20万円を超えても、自分で申告すればいいだけだろうと軽く考えていました。
実際、変更した翌年から「源泉徴収なし」の設定となり、その年は個別株と投資信託の売買で160万円の利益が出たため、確定申告をして約20%(約32万円)の税金を支払いました。ここまでは想定内だったのですが、その数カ月後、自治体から届いた通知に愕然としました。追加で国民健康保険料の納付を求められたのです。
理由は簡単で、160万円の利益が前年の所得として計上され、保険料の計算に含まれたからです。つまり税金を払った上に、さらに国保の保険料が跳ね上がるという二重の出費になってしまいました。ネット証券も税務署も、投資利益が国保保険料に影響するなんて教えてくれませんでした。
「源泉徴収あり」にしていればこんなことにはならなかったと、深く後悔しました。それ以来、同じ失敗を繰り返さないために、すぐ「源泉徴収あり」に戻しました。この体験談をシェアすることで、同じ思いをする方が一人でも減ればと思います。
なお、この記事の内容は国民健康保険に加入している人向けで、会社員など社会保険加入者には関係がありません。
特定口座とは?
特定口座とは、株や投資信託の売買益や配当金にかかる税金を証券会社が計算してくれる便利な口座です。税率は約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)で、2つのタイプがあります。
- 源泉徴収あり:税金を自動で引いてくれて納税まで代行してくれるため、確定申告不要。
- 源泉徴収なし:税金の計算はしてくれるけど、自分で確定申告が必要。
税率自体は変わりませんが、確定申告をするかどうかで国保保険料への影響が大きく違います。
「源泉徴収あり」の3つのいいところ
① 保険料が上がらない
「源泉徴収あり」にしておけば、確定申告をしなくて済むので、利益が国保の保険料計算に反映されません。私のように160万円の利益が出ても、保険料が増えるリスクはゼロです。利益が大きいほど、この恩恵を実感します。
② 確定申告が不要
証券会社が税金の計算から納税まで全部やってくれるので、税金の知識がゼロでも心配ありません。
③ 精神的に楽
保険料の増額リスクがなく、確定申告の手間もないので、投資をより気楽に続けられます。
「源泉徴収なし」の3つの落とし穴
① 保険料が急に増える
「源泉徴収なし」にすると確定申告が必須です。そして、市役所はその利益を所得とみなし、保険料を増額します。私の160万円の利益も例外ではありませんでした。ネット証券も税務署も、この点を教えてくれません。隠しているのではと疑いたくなるレベルです。
② 確定申告がめんどくさい
書類を揃えて計算して提出するだけでも初心者にはハードルが高く、間違えると追徴課税のリスクもあります。
社会保険加入者の場合
会社員などで社会保険に加入している人の場合、健康保険料は給与で決まるため、投資の利益が保険料に影響することはありません。つまり「源泉徴収なし」でも保険料が増える心配はないわけです。
私の教訓
今回、160万円の利益で国保保険料が跳ね上がった経験から、国民健康保険加入者は「源泉徴収あり」が絶対におすすめだと感じました。確定申告の手間もなく、保険料が増えるリスクもないので、利益が大きいほど安心です。
ネット証券も税務署も、この重要なポイントを教えてくれなかったために大損しました。この記事が、これから投資を始める方や、同じように節税を考えている方の参考になれば幸いです。
コメント