資産1400万円で働かずに暮らせるのか?①

投資とお金

私は現在、大学で非常勤講師をしています。担当は半期に1コマだけですので、年収はわずか15万円にすぎません。学振PDの任期終了後は、非常勤研究員および講師として勤務しつつ、常勤職の獲得を目指して各種公募に応募し続けてきましたが、これまで採用には至っておりません。私の研究分野はきわめてニッチで、公募自体が年に2回あれば多い方で、ゼロの年もあるほどです。そのため「何十回も落ちた」という状況とは異なり、この5年間で応募できたのは5件程度にとどまっています。

かつては学振PDとして年430万円、その後も非常勤の研究員と講師として年300万円ほどの収入がありました。特別に節約していたわけではありませんが、学生のころからお金をあまり使わない生活を送っていたため、自然と1000万円近くの貯金ができていました。

リーマンショック以降は投資から離れていましたが、2022年に株主優待を目的に再開し、その後はS&P500の短期売買を中心に資産を増やしてきました。その結果、現在の総資産は約1400万円に達しています。実現損益が200万円、含み益が120万円ほどになっています。もし個別株での失敗がなければ、さらに170万円ほど上積みできていたのですが……。

長年、大学での常勤職を目指して活動してきましたが、現状を考えると実現の可能性は低いと感じています。その理由は、公募が少ないことに加え、研究業績が必ずしも職に直結しないからです。私は海外で博士号を取得し、複数の論文だけでなく学術書も出版しました。今では欧米の研究者に一定の知名度があり、研究者や学生が教科書的に使用する概説書にも私の研究が引用されています。かつては「海外で評価されれば日本で職を得られる」と考えていましたが、実際にはそうなりませんでした。それでも、非常勤として大学に所属できているため、まだ完全に研究の道を断たれたわけではありません。

現状を鑑みて、私が模索しているのは、投資を通じて生活費をまかないながら研究を続ける生き方です。私は生活水準がかなり低いため(この点については別の記事で詳しく書きます)、1400万円を投資に回せば生活は十分成り立つと考えています。たとえば500万円を分配型の投資信託(WCM)に投資すれば、100万円あたり月1.7万円ほどの分配金が期待できます。つまり500万円で月8.5万円です。私の生活費はこれで賄え、残りの900万円は将来の資産形成に回せます。もちろん分配金については、基準価額の変動次第で、自分の投資した資金が返還される特別分配金の割合が増える可能性がありますが、その場合は特定枠で購入している別の投資信託を売却すれば特に問題ありません。

過去数年の投資経験を通じて、やってはいけないことも学びました。個別株には手を出さないこと、銘柄入れ替えのない投資信託為替ヘッジ付きのレバレッジ商品は避けること。これらの教訓を踏まえれば、以前よりも安定的な運用ができると考えています。今後も資産を運用しながら、大学の常勤職があれば応募しつつ、気長に研究と生活を続けていくつもりです。私と同じような境遇の方にとって、ひとつのモデルケースになれば幸いです。

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