少し前、三井住友銀行にカードの更新手続きで立ち寄ったときのこと。手続きが終わったタイミングで、「NISAで資産運用はいかがですか?」と担当の方に声をかけられました。正直、かなり驚きました。 というのも、銀行で扱っている投資信託の中には、手数料が割高なものが多いと知っていたからです。そこで私は、「銀行で買うと販売手数料がかかるのですが、それでもここで購入される方っているんですか?」と思わず尋ねてしまいました。すると、実際に一定数の方が購入しているとのこと。銀行で投資信託を買うことで損をしてしまうケースも少なくないため、この記事ではネット証券を利用すべき理由についてお伝えしたいと思います。
銀行で買うと「販売手数料」がかかる
投資信託を銀行で買うと、多くの場合「販売手数料」がかかります。これは購入時に支払う手数料で、1〜3.50%程度が一般的です。中には無料の商品もありますが、そうでないものも多いのが実情です。
たとえば、最近人気の「インベスコ 世界厳選株式オープン(愛称:世界のベスト)」というファンドがあるのですが、この商品を銀行で購入すると販売手数料が3.30%かかります。100万円分を購入したら、最初に3.3万円が引かれることになり、買った直後からマイナススタートです。

ネット証券なら販売手数料はゼロ
一方、楽天証券やSBI証券などのネット証券では、すべての投資信託が販売手数料無料です。「世界のベスト」も、もちろんネット証券なら手数料なしで購入できます。同じ商品を買うのに、銀行だと3.3万円も多く支払うことになるのです。
最初からこの差がつくとなると、長期的なパフォーマンスに大きな影響が出るのは明らかです。
なぜ銀行で買う人がいるのか?
「なぜわざわざ銀行で買う人がいるのか?」と疑問に思いましたが、理由はいくつかあるようです。
まず、銀行なら担当者が対面で丁寧に説明してくれるという安心感があります。投資初心者にとっては、ネットで自分で調べて商品を選ぶよりも、誰かに相談できる方が心強く感じるのかもしれません。
また、私のようにカード更新などの用事で銀行に行ったついでに、つい話の流れで契約してしまうケースもあるでしょう。私の母のように金融の知識があまりない人だと、「この商品がおすすめですよ」と言われただけでその場で契約してしまうこともあると思います。
親切な担当者=お得とは限らない
銀行の担当者は確かに丁寧で親切です。ただ、その背景には「自社で手数料の高い商品を買ってほしい」という事情があります。ネット証券なら無料で買えるといった情報は、まず教えてくれません。
おわりに:情報弱者にならないために
長年使っている銀行だからといって、そこで勧められる金融商品が必ずしも「お得」とは限りません。「親切な説明」や「信頼できそうな雰囲気」に安心してしまうと、手数料で大きく損をしてしまうこともあります。
資産運用では、自分の資産を守るために情報が欠かせません。銀行の窓口で勧められたからといって即決せず、「ネット証券ではどうなのか?」と一歩立ち止まって調べてみることで、数万円〜数十万円単位の差が生まれることもあります。
「よく分からないけど勧められたから」ではなく、「調べたうえで納得して選ぶ」。その意識こそが、損しない投資への第一歩だと思います。
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