為替ヘッジコストに注意!レバレッジ型インド株ファンドで後悔した話

投資信託

昨年のインド株ブームに乗って、私もインド株投資を始めました。当初はレバレッジなしの投資信託を購入していたのですが、「もっとリターンを狙いたい」という欲が出て、auAMレバレッジNifty50インド株ファンド(以下の表を参照)を100万円分購入しました。しかしながら、この選択が、のちに大きな後悔を生むことになりました。

項目詳細
ファンド名auAMレバレッジNifty50インド株ファンド
運用会社auアセットマネジメント株式会社
信託報酬年0.4334%(税込)
投資対象Nifty50指数(2倍レバレッジ、為替ヘッジあり)
為替ヘッジコスト年約6.0%(日本とインドの金利差による)

きっかけはインド株ブーム

インド経済の成長期待や人口増加、Nifty50指数の上昇を背景に、2024年はインド株投資が注目を集めました。私もその波に乗り、少額から始めて徐々に投資額を増やしていきました。そして、「2倍の値動きが狙える」というレバレッジ型商品に魅力を感じ、通常のインド株インデックスを売却して約100万円分、auAMレバレッジNifty50インド株ファンドを購入しました。

しかしながら、その後指数は下落に転じ、最大20%以上の含み損を抱えることに。2025年6月現在は回復傾向にありますが、まだ損失を抱えたままです。

買ってから気づいた「為替ヘッジコスト」の存在

購入してから知ったのが、為替ヘッジコストという非常に大きな見えない負担の存在でした。

為替ヘッジとは?

円とインドルピーの為替変動による損失を抑える仕組みです。たとえば円高になった場合、インド株の円換算価値が下がってしまいますが、ヘッジをかけることでそのリスクを軽減できます。

しかしこのヘッジにはコストがかかります。

ヘッジコストの計算方法と実際の負担

コストは日本とインドの金利差によって決まります。

  • 日本の金利:0.25%(2025年5月時点、日本銀行)
  • インドの金利:6.25%(インド準備銀行のレポ金利)

年6.0%前後のコストがヘッジにかかることになります。

具体例:

100万円を投資していると、

  • 年間:約6万円
  • 1営業日あたり:約240円

このコストはファンドの基準価格から毎営業日少しずつ差し引かれ、資産がじわじわと減少していきます。

ヘッジコストは分かりづらく、資料にも明記されないことが多い

SBI証券や楽天証券のウェブサイト、または目論見書を見ると、信託報酬(例: 年0.4334%)は明確に書かれていますが、ヘッジコストは「市場により変動」など曖昧で、初心者には分かりにくいです。そのため、ヘッジコストが見つけにくく、購入後に気づく投資家も多いのではないでしょうか。

レバレッジ型商品は短期向き。長期ではおすすめしない理由

【短期投資では有効な場面も】

円高局面(2025年現在のようにインドルピー安)では、為替ヘッジ付きのレバレッジ商品は、円高による損失を防ぎつつ、指数の上昇分を倍化してくれます。たとえば、数ヶ月〜1年で指数が上昇すれば、大きなリターンを得られる可能性もあります。

【長期投資での2つの問題点】

  1. 為替ヘッジコストの蓄積
    為替ヘッジのコストが毎営業日引かれ(1年で6%)、10年で約45%、20年で約70%の資産が削られます。
  2. レバレッジの逆効果
    市場が下落すれば損失も2倍。指数が±1%変動すると、ファンドは±2%動くため、値動きが激しく、長期では不利に働くこともあります。

長期投資には「為替ヘッジなし」のインド株ファンドがおすすめ

インド株の成長を長期で享受したい場合は、レバレッジなし・ヘッジなしのシンプルなインデックスファンドが有利です。

たとえば、以下のような商品があります:

  • auAM Nifty50 インド株ファンド(信託報酬 0.297%)
  • 楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド(信託報酬 0.308%)
  • iFreeNEXT インド株インデックス(信託報酬 0.473%)
  • eMAXIS Slim インド株式インデックス(信託報酬 約0.44%)

これらは為替ヘッジコストが不要で、長期的なインドの経済成長の恩恵をしっかり受けることができます。インド株は過去20年間で年平均10%近く上昇しており、20年以上のスパンで見れば、為替変動の影響も平準化されます。

詳細は別記事をご覧ください。

まとめ:高コスト商品に惑わされず、納得した選択を

auAMレバレッジNifty50インド株ファンドは高いリターンを狙える一方、為替ヘッジコストが年間約6%かかり、長期では資産を大きく削るリスクがあります。明記された信託報酬が安くても、ヘッジコストなどの隠れた負担を見逃さないよう注意が必要です。ファンド資料ではヘッジコストが目立たない場合が多く、目論見書を丁寧に確認することが大切です。

私は今後、買値に戻り次第レバレッジ商品を売却し、為替ヘッジなしのインデックスファンドに切り替える予定です。

この記事がインド株投資を始める方の参考になれば幸いです。

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